金・貴金属の投資を始めるには

金(きん)の価格が高値止まり傾向となっており、ニュースでも報道される機会が増えています。金の投資ってどうやるの?と少し興味を持った方のために、今回は金や貴金属投資の基本的なことをお伝えします。

有事の金

金の価格は毎日変動します。
今後上がり続けるかどうかは未知数ですが、金の価格には経験則があります。
金は戦争などの有事や、ドル安になると上昇すると言われています。
それは、金は鉱物であり、地球上から消えることなく、一定の価値を持ち続けるという安全資産としての独特のポジションにいるからです。
昔の金本位制の様に、金そのものを通貨として用いる時代ではありませんが、万が一我々が日常使用する貨幣や紙幣、通帳の数字が無意味になった時でも、金は一定の価値を保ってくれる存在なのです。

図 2017年以降の金価格1gの推移。田中貴金属のホームページより引用。

現在の金価格は7000円台をキープしています。
金価格の上昇するときは、一般的にはドル安、政情不安、戦争などが起きていることが多いです。私個人的には、それに加えて近年は新型コロナウイルス対策の世界的な緊急金融緩和政策による、市場のカネ余りも一因ではないかと思います。

金は短期投資には向かない

金は元々値動きが比較的小さな商品です。
また、売り価格と買い価格のマージンが大きめです。
例えば、ある時は1gの地金を買い付ける際は7769円かかりましたが、売る際は同重量で7676円にしかなりませんでした(ある業者の場合)。つまり売買するだけで往復2%も損します。
したがって、頻繁に売り買いするのは不向きです。
一発大儲けを狙うのではなく、数年、数十年かけてコツコツ資産形成をする人に向いており、積立投資と相性が良いです。

金投資の方法は二つ

1. 地金を直接買う

昔ながらの方法ですが、貴金属の取扱店で地金すなわち形としての金そのものを買い付けることができます。
手元に保有しておいたり、保管を委託することが出来ます。
ただ、投資という観点からすると、デメリットの方が大きいので向かないかと思います。
手元に保有すれば盗難等のリスクがありますし、買い付け価格の他に受渡手数料がかかります。
また、保管を委託する際も、保管料を通常は取られます。
手元に置いて時々眺めてニヤニヤしたい方や、インテリアとして飾るのなら良いと思いますが、
投資としては推奨できません。

2. 証券会社や銀行で積み立てる

こちらの方が投資としてはメジャーな方法だと思います。
モノとして受け取るのでは無く、株や債券と同様に投資します。
純金積立の名称でサービスを行なっている金融機関が多く、月1000円の積立から始められるところもかなりあります。
先述したとおり、短期売買には向いていない商品ですから、タイミングを自分で測って買い付けるよりも、毎月一定額をコツコツ買い付ける方が結果として良いリターンを得られると思います。
積立の方法は各金融機関のホームページに記載があるので、ここではそのリンクをいくつか貼っておきます。

https://tt.tanaka.jp (田中貴金属)
https://gold.mmc.co.jp/howto/mgp/ (三菱マテリアル:マイ・ゴールドパートナー)

上記二つ以外には実はもう一つ候補があり、商品先物取引で金先物を売買するという手がありますが、投資初心者には少しわかりにくいのと、ハイリスク・ハイリターンなので、最初は見送っておいた方が良いでしょう。

金は通常は値動きが地味なので、刺激を求める人には物足りないかも知れませんが、お金を定期預金に預けるくらいなら、千円積立でも良いから金投資をやってみて良いと思います。

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運営者

運営者プロフィール

日本FP協会AFP、キャリアコンサルタント、認定心理士。

最初に買った株は大暴落の憂き目に遭い、学生時代の数年のバイトで貯めた資金を3日で半減。そこから市場研究と実践を重ね、リーマンショックなどの不況も乗り越え投資歴20年以上。

家計管理にも詳しく、年間約100本のセミナーや勉強会を実施し好評を得ている。

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