株式投資にかかる税金の基本

株式投資は利益に対して課税が発生します。今日は株式投資に関連する主要な税金の種類とその特徴ついて説明します。

1. 株式投資に関する主要な税金の種類

株式投資において発生する税金には主に以下の2種類があります:

(1) 譲渡所得税

株式を売却して得た利益(譲渡益)に対して課される税金です。譲渡益は、売却価格から取得費用(購入価格)と売買にかかる手数料を差し引いた額で計算されます。
譲渡所得税は、所得税(15%)と住民税(5%)に復興特別所得税(0.315%)を加えた合計20.315%の税率が適用されます。

(2) 配当所得税

株式を保有している間に企業から受け取る配当金に対して課される税金です。
配当所得税も、譲渡所得税と同様に20.315%(所得税15%、住民税5%、復興特別所得税0.315%)の税率が適用されます。なお、NISA口座を利用している場合は、一定の条件下で配当金が非課税となります。

2. 最近の動き

日本政府は、少子高齢化や財政赤字の問題に対応するため、税制改革を進めています。株式投資に関連する最新の税制改正のポイントとして以下の点が挙げられます:

(1) 金融所得課税の一体化

現在、日本では金融所得(株式譲渡益や配当金など)に対して20.315%の一律課税が行われています。しかし、政府は高所得者への課税強化を図るため、金融所得課税の一体化を検討しています。これにより、特定の条件下で税率が変更される可能性があるため、最新の動向を注視する必要があります。

(2) NISA制度の拡充

NISA(少額投資非課税制度)は、個人投資家にとって有益な制度です。2024年からは「新NISA制度」が導入され、投資枠の拡大や恒久化が図られました。非課税での投資可能額が増え、投資の自由度が高まっています。新NISAでは、年間の非課税投資枠が最大360万円(つみたて枠120万円、成長投資枠240万円)に拡大されました。

3. 合法的な税金対策

株式投資を行う上での税金対策として、以下の方法があります:

(1) 損益通算

損益通算とは、同一課税年度内に発生した利益と損失を相殺することです。例えば、株式の売買で利益を得た場合でも、他の銘柄で損失が発生していれば、その損失を差し引いて課税額を減らすことができます。また、損失が発生した場合、その損失を翌年以降3年間繰り越して、将来の利益と相殺することも可能です。

(2) NISA口座の活用

NISA口座を利用することで、一定額までの株式投資の譲渡益や配当金を非課税にすることができます。新NISA制度では投資枠が拡大されたため、より多くの非課税メリットを享受することが可能です。

(3) 外国税額控除

外国株式に投資した場合、現地で約10%源泉徴収され、さらに日本でも税金が発生するため、二重課税になります。ですので、源泉徴収された税金を日本の税金から控除できる「外国税額控除」を活用することができます。確定申告をすると、税金が還付されます。

まとめ

株式投資を行う際には、税金に関する知識をしっかりと持ち、最新の税制改正や税務対策を理解しておくことが重要です。特に、譲渡益や配当金に対する税金、NISA制度の活用、損益通算などを上手に利用することで、税負担を軽減しながら効果的な資産運用を行うことができます。税制は年々変わる可能性があるため、定期的に最新情報を手に入れましょう。

関連記事

運営者

運営者プロフィール

日本FP協会AFP、キャリアコンサルタント、認定心理士。

最初に買った株は大暴落の憂き目に遭い、学生時代の数年のバイトで貯めた資金を3日で半減。そこから市場研究と実践を重ね、リーマンショックなどの不況も乗り越え投資歴20年以上。

個人事業主のビジネスにも詳しく、近年はスモールビジネスに興味ある人に向けてコミュニティを運営中。

TOP