住宅ローンの変動金利上昇に備える基礎知識

7月31日に日銀の政策金利の利上げが発表されてから、金利引き上げの波が住宅ローンにも影響を及ぼしています。銀行の金利の仕組みを理解していないと、不安をより大きく感じるでしょう。特に、変動金利は「半年ごとに見直し」、固定金利は「毎月見直し」と、仕組みを把握するべきです。今回は、住宅ローンの借り手にとって「変動金利上昇が怖いなー」と悩んでいる方に向けて、分かりやすく解説します。

変動金利の見直し時期

変動金利は、毎年4月と10月に見直されます。ただし、実際に新しい金利が適用されるのは、3か月後の7月と1月からです。この期間があるため、急な変更にもある程度対応する余裕があると言えるでしょう。

変動金利の125%ルール

変動金利では、見直し後の金利が大幅に上がった場合でも、返済額は元の金額の125%までしか増えない仕組みがあります。例えば、借入金額が4,000万円で期間が35年、金利が1%の場合、毎月の返済額は112,914円です。この金利が3%に上がると、本来の返済額は153,940円になりますが、125%ルールが適用されるため、141,142円(112,914×125%)までしか上がりません。

変動金利の5年間ルール

変動金利には、取り組んでから5年間は返済額が変わらないというルールもあります。ただし、この期間中に金利が大幅に上昇して、返済額が元の金額では賄えない場合、5年後に不足分が追加で請求されることがあります。

固定金利

一方、固定金利は、毎月の店頭金利が適用され、その時点で契約した金利が固定期間中適用されます。固定期間が終わると、再度その時点での店頭金利を基に、新しい金利が適用されます。

注意点

なお、『125%ルール』と『5年間ルール』は元利均等返済にしか適用されない点にも注意が必要です。元金均等返済に関しては対象外となります。

住宅ローンの金利上昇は避けられない現実です。しかし、金利の仕組みを理解し、しっかりと準備をしておくことで、将来的な不安を軽減することができます。自分に合った返済プランを考えて、賢く対応していきましょう。

関連記事

運営者

運営者プロフィール

日本FP協会AFP、キャリアコンサルタント、認定心理士。

最初に買った株は大暴落の憂き目に遭い、学生時代の数年のバイトで貯めた資金を3日で半減。そこから市場研究と実践を重ね、リーマンショックなどの不況も乗り越え投資歴20年以上。

個人事業主のビジネスにも詳しく、近年はスモールビジネスに興味ある人に向けてコミュニティを運営中。

TOP